2013年4月27日土曜日

オリーブ薫る郷愁の旅路 ~小豆島~ vol.3

瀬戸の島の夕刻、海辺にひとりたたずむ。

その光景は、あまりにも静かで美しい・・・
昔から連綿と続く自然の営み。

ただ、ため息が漏れるのみ・・・




















さて、
今回の旅の宿は、
島で唯一の
ユースホステル。






古き時代の香り漂う宿で、
この夜の宿泊は、十数人ほど。

部屋は6人のドミトリーに、
同室は、春休みの大学生。

先ほど酒蔵で買った日本酒と
彼等が持参した肴で酒盛りとなる・・・(笑)




















夕食が終わると、
食堂で同宿者とマネージャーも交え、
しばし歓談。

まだ20代の彼は、
閉館の危機を乗り越え、
ネット等を活用し、意欲的に運営している。

今は下火のユースホステルだが、
昭和40年代には島に六軒もあり、
活況を呈していたとのこと。



















朝は、
オリーブビーチから
渡し船に乗る。
対岸の岬まで約10分の船旅。

乗場に行き、
船頭に直接頼む(!)というシステム。

客は自分ひとり。

何かつくづく
「旅に出てるなー」と感じる・・・(笑)
 




向こう岸の岬に到着。

突端には、二十四の瞳の映画村がある。

何といっても、
小豆島といえば
「二十四の瞳」だろう・・・

プロレタリア文学の流れを汲む
壺井栄のこの小説は、
言わずもがなの名作だが、
巨匠・木下恵介による映画も
また金字塔である。






映画村内は、
昭和の郷愁漂う展示がなされ、

映画の
手書き封切看板や、










懐かしの
ホーロー看板も。





















こちらは
島独特の看板・・・
 












昭和をテーマにした
展示が主なのだが、

こちらの作品は、
近年、
小豆島ロケを敢行したとのこと。




















ちょっと一服・・・
三種の醤油の卵かけ飯を食す。
























そして
岬の分教場。
童謡の流れる中、
海に面して建つ校舎は、郷愁を誘う・・・





















当時の家屋。
懐かしさと切なさに
何か胸がいっぱいになる・・・






















バスで再び坂手へ。
壺井栄生誕の地。





















穏やかな海に抱かれた
どこか懐かしさを覚える島・・・

日も暮れかかる中、港を後にした。


























小豆島オリーブユースホステル http://www.jyh.gr.jp/shoudo/
二十四の瞳映画村 http://www.24hitomi.or.jp/
小豆島観光協会 http://shodoshima.or.jp/


2013年4月25日木曜日

オリーブ薫る郷愁の旅路 ~小豆島~ vol.2

前回の続きになりますが、
ちょうどこの時、
「瀬戸内国際芸術祭」というイベントが開催中でした・・・



















これは、
瀬戸内の島々や港町に、
さまざまなアート作品を配し、
それらを主に船で巡るという
画期的な催しです。

その作品は、
新進の作家から、
建築家の安藤忠男氏・写真家の荒木惟経氏
そして
映画監督の北野武氏といった
ビッグネームまで参加しているという
かなり大々的なイベントです!
 



















小豆島においても、
非常な盛り上がりを見せており、
これはそのモニュメント的な
「ザ・スターアンガー」という作品です。

現代美術作家のヤノベケンジ氏によるもので、
太陽のような球体に、
水の神である龍が鎮座するという、
堂々たるオブジェです。




さて、
初上陸の小豆島のイメージは、
穏やかな気候、暖かい人情、
二十四の瞳、オリーブ、醤油蔵・・・

ということで、
まず、醤油蔵の立ち並ぶ
「醤の郷」という一帯を散策しました。

この島には、驚くことに醤油醸造元が十数あり、
そのうち数社がここに集中しています。

その中で最大
マルキン醤油を見学しました。

西日本屈指ともいわれるその工場。

黒く特徴的な切妻屋根の建物が立ち並び、
大豆が発酵する独特な香りが、辺り一面に立ち込めます。

それは初めての感覚です。






 


















併設のマルキン記念館。
昔は、
TVコマーシャルもやっていたそうです!

で、
出口で定番のご当地ソフトを・・・(笑)
















周辺には、
大豆のもろみの香りが漂っており、
麹菌が、永年をかけて
壁面や天井や柱を黒く変色させるそうです。
年月の重みを感じます・・・





















次に中心部からはやや離れた
「ヤマロク醤油」へ。

ここは、
小さな醤油蔵という趣で風情があります。

見学を申し入れると、
店主自ら、醤油造りの工程について、
もろみ蔵を案内し丁寧に説明してくれました。

桶の中のもろみが発酵・熟成する様子は、
音がグツグツと聞こえてきそうなほどです。





























そして
何と、アイスクリームの醬油がけ!

店主がおっしゃるには、
全種試したが、「この醤油でなければダメ」ということです。

確かに上質な醤油の塩気が甘みを引き立てて、
意外にも美味しいので驚いてしまいました!

これはまさに禁断の味・・・



















そしてまた、
醤の郷界隈に戻り、
そぞろ歩いていると、
気になる場所を見つけました。

中心部の苗羽
(これで「のうま」と読みます!)
地区にある酒蔵です。



















中は、今風に改装されており、
カフェ&バーになっています。

旅の午後、
早速に、カウンターで
四種の地酒の飲み比べを楽しみました・・・(笑)





















軽い酩酊状態で
オリーブビーチにひとり佇む。

瀬戸の島の夕刻は例えようのない美しさ・・・


























(次回に続く・・・)



瀬戸内国際芸術祭2013 http://setouchi-artfest.jp/
マルキンの小豆島しょうゆ http://moritakk.com/know_enjoy/marukin_syouyu
ヤマロク醤油 http://yama-roku.net/
森國酒造 http://morikuni.jp/